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中学校外国語新学習指導要領を読み解く観点③:小中連携目標の一貫性,指導内容の系統性,指導法の継続 宮城教育大学教育学部 英語教育講座准教授鈴木 渉 鈴木 渉(すずき わたる)先生 宮城教育大学教育学部英語教育講座准教授。東北大学大学院教育学研究科総合教育科学専攻博士課程前期課程修了。トロント大学オンタリオ教育研究所博士課程修了(Ph.D.)。専門は英語教育学,第二言語習得研究。編著に『実践例で学ぶ第二言語習得研究に基づく英語指導』(2017,大修館書店),論文に“Written languaging, direct correction, and second language writing revision”(Language Learning)がある。 世界中も日本も小中連携が課題  ご存じのように,日本の小学校英語教育が,2020年4月から,正式に早期化・教科化されます。この動向は,教室外では英語をあまり使用しないアジア(韓国,中国等)やヨーロッパ(スペイン,ハンガリー,ギリシャ等)と比較すると,大幅に遅れていると言われています。遅れてはいるものの,だからこそ,メリットもあると私はポジティブに捉えるようにしています。それは,各国における小学校英語教育の早期化・教科化の現状と課題から,多くを学べるからです。私の専門である英語教育学(第二言語習得研究)によれば,年齢を下げただけでは,英語力の向上につながらないということが分かっています。むしろ,高学年で開始したほうが,中学年で開始するよりも,中学生になった時点での英語力が高いという報告さえあるのです。そこでの課題は,教室外で英語に触れる量が不足していること,小中におけるスムーズな接続,シラバスや指導の継続性等があげられています。つまり,本稿のテーマである小中連携そのものなのです。以下では,小中連携について,目標の一貫性,指導内容の系統性,指導法の継続,の3つの観点から述べたいと思います。 目標の一貫性  pp.2-3 の「新しい学習指導要領のねらい」でも述べられているように,小中の指導目標は,「外国語を使って何ができるようになるのか(CAN-DO)」の観点から,「聞くこと」「読むこと」「話すこと[やり取り]」「話すこと[発表]」「書くこと」の5領域にわたり,それぞれ2,3項目ずつ書かれています。例として,小学校と中学校の外国語科の「聞くこと」の目標を取り上げ,小学校段階と中学校段階でどのようなことを指導すべきなのかを明確にしたいと思います。このような明確化が,小中連携の第一歩だと考えられるからです。 小学校外国語科の「聞くこと」の目標 ア ゆっくりはっきりと話されれば,自分のことや身近で簡単な事柄について,簡単な語句や基本的な表現を聞き取ることができるようにする。 イ ゆっくりはっきりと話されれば,日常生活に関する身近で簡単な事柄について,具体的な情報を聞き取ることができるようにする。 ウ ゆっくりはっきりと話されれば,日常生活に関する身近で簡単な事柄について,短い話の概要を捉えることができるようにする。 中学校外国語科の「聞くこと」の目標 ア はっきりと話されれば,日常的な話題について,必要な情報を聞き取ることができるようにする。 イ はっきりと話されれば,日常的な話題について,話の概要を捉えることができるようにする。 ウ はっきりと話されれば,社会的な話題について,短い説明の要点を捉えることができるようにする。  まず,聞く話題から比較してみましょう。小学校の目標は,「自分のこと」(好きな色,食べ物,着ている服など),「身近で簡単な事柄」(よく知っている人や事柄など),「日常生活に関する身近で簡単な事柄」(食べること,着ること,遊ぶこと等の出来事や習慣的なことなど)について聞くことができるようにするとされています。中学校の目標は「日常的な話題」(生徒にとって身近な学校生活や家庭生活など)や「社会的な話題」(エネルギー問題や国際協力など)について聞くことができるようにするとされています。このように,聞く話題が,小学校から中学校へと進むにつれて,自分自身のことから,身近な事柄,日常的な話題,そして,社会的な話題へと広がっているのが分かるでしょう。  次に,聞く内容について見てみましょう。小学校では,聞き取る内容は,「簡単な語句や基本的な表現」,「具体的な情報」(誕生日や時刻,値段など),「短い話の概要」です。中学校では,「必要な情報」(店や公共交通機関などで用いられる簡単なアナウンス等),「話の概要」,「短い説明の要点」を聞き取ることになっています。聞く内容が,小学校から中学校へと高度化されているのが分かるでしょう。  最後に,使用する言語についても見てみましょう。小学校では「ゆっくりはっきりと話された」英語を聞くのに対して,中学校では「はっきりと話された」英語を聞くことになります。つまり,ゆっくりと明瞭な音声で聞く小学校段階から,ある程度自然な速度に近い音声を聞き取る中学校段階への移行を示しています。  このようなことを把握しておくことで,小学校や中学校でどのような指導をしたらよいのかが,明確になると思います。 指導内容の系統性  今回の学習指導要領改訂では,「知識及び技能」,「思考力,判断力,表現力等」,「学びに向かう力,人間性等」を身に付ける言語活動を行うことが重要になります。ここでは,知識・技能の習得を例にとってみましょう。知識・技能の習得に関しては,中学校の外国語科では,小学校の外国語科で扱った語彙や表現などの学習内容を繰り返し取り扱うことが求められています。その際,「言語の使用場面」や「言語の働き」の点から,配慮することとされています。  ページ数の制限があるので,「言語の使用場面」のみを取り上げてみましょう。例えば,小学校と中学校の外国語科では「身近な暮らしに関わる場面」や「特有の表現がよく使われる場面」を取り上げることになっています。「身近な暮らしに関わる場面」として,小中共通して「家庭での生活」,「学校での学習や活動」,「地域の行事」があげられています。「特有の表現がよく使われる場面」として,「自己紹介」,「買物」,「食事」,「道案内」,「旅行」,「電話での対応」,「手紙や電子メールのやり取り」等があげられています。それでは,「道案内」を例にとって考えてみましょう。『新教材』(文部科学省が開発・配布する 2018年度からの移行措置期間用の教材)によれば,小学校5年生の「Unit 5 Where is the treasure?」の単元で,Go straight. Turn right. 等の基本的な語彙や表現が扱われています。このことを意識したうえで,中学校段階では,Go straight on this street. Turn right at the second corner. のように語彙や表現を発展させていくことが必要になってくるでしょう。そのような発展的な活動の中で,小学校段階から慣れ親しんだGo straight. Turn right.の習熟も図られると考えられます。 指導法の継続  pp.2-3 にもあるように,今回の学習指導要領改訂では,指導法への言及が見られるのが特徴です。「指導計画の作成と内容の取扱い」では,指導計画の作成における小中高の接続が詳細に書かれています。1つ例をあげましょう。以下の説明が小中の学習指導要領に共通して見られます。 ア …生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにすること。その際,具体的な課題等を設定し,…コミュニケーションの目的や場面,状況などを意識して活動を行い,英語の音声や語彙,表現,文法の知識を…実際のコミュニケーションにおいて活用する学習の充実を図ること。  つまり,小学校と中学校の外国語科においては,英語を用いてお互いの考えや気持ちを伝え合う言語活動を継続して行わなければならないということです。従来の中学校の指導で見られたような,単なる練習としての音読,英語の単語や表現を機械的に何度も書く活動,書きかえや並べかえ,和文英訳などの,考えや気持ちを伝え合う要素がない活動が中心にならないように計画されなければなりません。もちろん,そのような練習が言語活動を下支えしているのですが,従来の授業では練習だけで終わってしまうことが多かったと思います。しかし,これをお読みになっている方も,練習中心で身に付いた知識や技能が,コミュニケーション場面で使えないというのは,経験されてきたことでしょう。私の専門とする英語教育学(第二言語習得研究)でも,コミュニケーション場面で使える知識や技能を習得するためには,言語活動を通してそれらが習得されなければならないと言われています。そのため,小中の外国語科の授業においても,指導法を継続することには大きな意義があるのです。  最後に,指導法の継続という観点から,中学校の教師にぜひ意識してほしい小学校の指導法があります。それは,Hi, friends! や『新教材』において,歌,チャンツ,ゲーム的要素を取り入れた練習(ポインティング・ゲーム,キーワード・ゲーム,ミッシング・ゲーム等)を多く活用しているという点です。それらを,中学校段階(特に中1)でも使って語彙や文法を導入すると,「あっ,やったことある!」「この歌好きだった!」という「つぶやき」があちらこちらから聞こえてくるでしょう。この「つぶやき」こそが,小中がつながっているということなのです。小中連携を意識しながら,日々の指導や授業作りを行ってくだされば,幸いです。 ※この原稿は東書教育シリーズ『中学校外国語新学習指導要領を読み解く―6つの観点で考えるこれからの学び―』(東京書籍,2017)に掲載されたものです。 関連リンク 中学校外国語新学習指導要領を読み解く 【総論】新しい学習指導要領のねらい 【観点①:英語で授業】「やり取り」と「英語で授業」で深い学びを実現 【観点②:CAN-DO】CAN-DOリストによる目標と評価 —授業改善のために 【観点③:小中連携】目標の一貫性,指導内容の系統性,指導法の継続 【観点④:文,文構造及び文法事項】コミュニケーションにおける活用のための文法指導 【観点⑤:語彙】新学習指導要領における語彙指導の考え方 【観点⑥:デジタル】新教育課程下におけるデジタル教科書の位置付けと活用 【東書Eネット】中学校英語・中学校外国語 新学習指導要領を読み解く- 6 つの観点で考えるこれからの学び-

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