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MENU HOME QUESTION 立命館大学 法学部 法学研究科 QUESTION 緊急事態宣言、受け入れますか？ KEYWORD #行政学 新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、日本政府が取る最も強力な対策が、緊急事態宣言の発令による措置です。具体的には、首相が対象の区域と期間を定めます。そして、緊急事態宣言発令を受け、対象となった都道府県の知事が、具体的な対策を立てます。知事は、市民の生活の維持に必要な場合を除いた外出の自粛のほか、商業施設や飲食店の営業時間短縮・休業、音楽やスポーツイベントなどの開催停止、学校の休校を要請できます。この際、知事の営業時間短縮・休業の命令に違反した事業者には、行政罰として30万円以下の過料に処することが可能となりましたが、2021年6月時点で市民の外出について罰則は定められていません。 このように、日本では市民の外出に対して罰則を科さずに、自粛を促すという非強制的な手段をとっています。そのため、市民が行動を自制するかは、市民が政府の対策を納得して受け入れるかという点に大きく影響されます。それでは、どのような場合に、市民は緊急事態宣言を受け入れるのでしょうか？この問いに対してはいくつかの仮説（問いに対する暫定的な答え）が考えられますが、その一つとして、宣言発令が決定される過程において政府の手続きが公正であったかという点が、宣言を受け入れるという態度に影響することが考えられます。具体的には、判断に至った経緯や議論の内容、発令や解除の要件に関する具体的な判断基準やその根拠についての説明が政府からなされた場合に、人々は宣言の決定過程が公正なものだと感じて、対策を受け入れるということです。このことについては、実際の日本の政治過程を分析した研究や、異なる仮想の政治過程に関するシナリオを被験者に提示して、それに対する被験者の反応を見る実験でその確かさが示されています。 政府が新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策を決定したとしても、人々がそれを受け入れなければ、その対策は望ましい成果をもたらしません。日本政府が市民の自発的な行動変容に期待するのであれば、どのような形で対策を決定し、市民に情報を伝えるかということが、拡大防止という成果に大きな影響を及ぼすでしょう。 法学部で学ぶ行政学や政治学では、このように政府の活動がどのように行われていて、市民がそれに対してどのように応答しているのかといった点についても検討しています。広く言えば、社会を維持していくために、どのような決定やその実施活動が行われているのかを分析対象としていて、市民としてそうした活動を観察して、積極的にかかわっていくための思考力や判断力を身に着けようとしているのです。公務員を志望して法学部を志望する人もいると思いますが、こうした思考力や判断力は公務員として活躍するに際しても非常に重要となります。 この問題について考えるのはこの科目 行政学 法学のことをもっと知る 立命館大学法学部 強み・特長 数字で見る法学部 進路・就職 教員紹介 立命館大学法学部の在学生や卒業生、教員のインタビューをシリーズでお届けします。 立命館大学 法学部 法学研究科 Twitter このページに関するご意見・お問い合わせは 立命館大学法学部事務室 TEL：075-465-8175 このサイトについて プライバシーポリシー © Ritsumeikan Univ. All rights reserved.