トミーポール

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50 °Cの範囲ではプロットが直線的でしたが、60 °C以上では傾きが急激に小さくなるとともに、上に凸の曲線となっていました。60度以上での伝導度は10-4 S cm-1を上回る高い値となっています。10 - 50 °Cの温度域について、アレニウスプロットの傾きから活性化エネルギーを求めたところ、172 kJ mol-1と算出されました。伝導度測定終了後の試料について、DSC測定を行ったところ1の融点に起因するピークが消失した一方で、50度付近に新たな吸熱ピークが観測されました。この結果は、伝導度測定のために行った加熱条件下において1が融点を50 °C付近に有する構造未知の化合物1’に変化していることを示唆するものといえます(詳細については現在調査中)。 分子結晶2については、30-80度の温度範囲でイオン伝導が確認されました。40 °Cでの伝導度は2.5×10-6 S cm-1であり、80 °Cでは4.2 ×10-4 S cm-1に達しました。なお、アレニウスプロットより、イオン伝導の活性化エネルギーは117 kJ mol-1と算出されました。我々が以前に報告したMgイオン伝導性分子結晶Mg(TFSA)2(CPME)2(イオン伝導度:4 x 10-7 S cm-1 at 40 °C mol-1, 活性化エネルギー69 kJ mol-1)に比べると、イオン伝導度は高く、活性化エネルギーは大きいという結果となりました。分子結晶2とMg(TFSA)2(CPME)2の間にみられるMg周りの構造と分子配列に大きな違いが、このようなイオン伝導挙動の差を生じさせた要因と考えられます。なお、2では測定前後でPXRDパターンに変化が見られなかったことから、分子結晶2は伝導度測定の前後で構造変化を起こさないことが確認されました。 金属マグネシウムを電極に用い、分子結晶2のMgイオン輸率の算出を試みました。今回の測定では交流インピーダンス測定で得られたNyquist plotにワールブルグインピーダンスのみが確認されたため、直流分極測定で得た初期電流と定常電流の比から予備的な結果としてMgイオン輸率を算出し、0.46という値を得ました(図4)。この結果は2においてMgイオン伝導が進行していることを明確に示すものと言えます。 図3:分子結晶のイオン伝導度(1: ●(赤),2: ■(青)) 図4:マグネシウムイオン輸率算出のために行った対称セル(Mg | 2 | Mg)についての直流分極測定の結果 4.今後の展開 酸化物や水素化物などからなる既報のマグネシウムイオン伝導性無機固体電解質の多くは、Mgイオン伝導性の発現に数百度の加熱を要することが一般的です。一方、今回得られた2は、80℃という比較的温和な条件で10-4 S cm-1という高いイオン伝導性を示します。このように本研究では、分子結晶電解質の構成要素としてイオン液体を活用することにより、安全性向上だけでなく、Mgイオン伝導の促進も可能になることを見出しました。分子結晶の活用により、既報固体電解質よりも高いMgイオン伝導性が得られたことから、本成果はMg伝導性固体電解質の開発における新たなコンセプトを提示するものであると考えています。今後は、分子結晶の構成要素のさらなる精査を通し、高い安全性と高速Mgイオン伝導性を両立する固体電解質材料を探索するとともに、全固体Mg電池の実現に貢献することを目指します。 本研究は、科学技術振興機構(JST)研究成果展開事業 A-STEP産学共同(育成型)、科学研究費補助金「挑戦的研究(萌芽)」、公益財団法人 日本板硝子材料工学助成会研究助成の支援により行われ、2022年5月3日発行の米国化学会誌「Inorganic Chemistry(インオーガニック・ケミストリー)」で公開されました。 5.付記 本研究は、本学大学院総合科学技術研究科の盛佐和子、大洞貴仁(いずれも修了生)、本学理学部化学科の生木泉圭(卒業生)、本学グリーン科学技術研究所の近藤満教授と共同で行われました。 6.用語解説 (1) 固体電解質:固体状態でイオンを伝導させることが出来る材料 (2) 全固体電池:すべての構成要素(正極、負極、電解質)が固体材料からなる電池。現行のリチウムイオン電池では、固体電解質の代わりに有機溶媒を主な成分とする液体の電解液が使用されている。 (3) マグネシウム電池:金属マグネシウムを負極として用いた蓄電池。安全性と高い容量を両立する蓄電池の候補として期待されている。また、マグネシウムが地殻中や海水中に豊富に含まれることから、電池の低コスト化にもつながると考えられている。 (4) 分子結晶:分子を構成要素とする結晶 (5) イオン液体:イオンのみから構成され、液体で存在する塩。難燃性、不揮発性といった、電解質の安全性向上に貢献する特性を有する。 【プレスリリースはこちら】難燃性のイオン液体を構成要素とし、温和な条件下で高いマグネシウムイオン伝導性を示す分子結晶電解質の作製 ー全固体マグネシウム二次電池の実現に向けて新たな指針ー 申込み方法・問い合わせ先: 静岡大学 理学部 化学科 准教授 守谷 誠 TEL:054-238-4753 E-mail:moriya.makoto[at]shizuoka.ac.jp ※[at]を@に変更してご利用ください 新着情報一覧へ HOME 大学案内 学部・大学院・研究所 図書館・センター等 教育・学生支援 研究 社会連携・産学連携 国際交流 就職・進路 入試案内 国立大学法人 静岡大学(事務局)〒422-8529 静岡市駿河区大谷836TEL : 054-237-1111(代表) プライバシーポリシー このサイトについて サイトマップ 関連リンク集 お問い合わせ一覧 交通アクセス 採用情報 同窓会 SURE静岡大学学術リポジトリ 安否情報システム 教員免許状更新講習--> 印刷 大学広報 取材撮影の申し込み 教職員用 Copyright© Shizuoka University All rights reserved. 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